(コラム21)ミヤイリガイって知ってますか?呑気症の症例に繋がります。

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの方が亡くなっていますし、COVID-19と命名もされたようです。

人類は感染症に悩まされて、過去にも多くの人が命を落としています。ご存知だと思いますが、感染症というのは細菌やウイルスが体内に入り、発症する疾患のことを言います。

死の病といわれたペストなど致死率が高く、過去に1億人も死んだとも言われていますし、最近もエボラ出血熱というのが流行し、1万人を超える死者が出ました。日本でも恐れられた結核も未だに根絶ではないということです。

さて、前置きが長くなりましたが、感染症の一部といいと思いますが、日本でも風土病とも言われて、ある一定の限定した地域に定着し流行を繰り返す病気がありました。それは地域によっては地方病とも呼ばれていました。

私の住んでいる筑後地域でも多くの方が亡くなった風土病として、日本住血吸虫というのが知られているところです。日本住血吸虫は淡水にいる貝を中間宿主とし、河の水に入った哺乳類の皮膚から入り込んで寄生して、皮膚炎を初めの症状として高熱や消化器症状といった急性症状の後、重症化すると肝硬変による黄疸や腹水を発症し、最終的に死に至るという非常に恐れられていたものでした。

その貝の名前がミヤイリガイというのですが、水に入っただけで皮膚から感染するというのは怖いですよね。ですが、昨日も年配の方から聞いた話ですが、昔は貝を食べていたということでした。それがその貝であったか?というのはわかりませんが、食糧事情がそういう風で厳しかったんだろうと思います。

長く悩ませてきたこの風土病は研究されて、貝に寄生している虫が原因であるとわかったことの意義は大きく、筑後でも大規模な駆除が行われていて、根絶に成功したのは日本だけだということです。筑後川付近には人の都合で絶滅させて、貝たちには申し訳ないと慰霊碑まで建てられているくらいです。崇りを恐れたのでしょうか?まあそれくらい恐ろしかった病であったのでしょう。

表向きには全面的に根絶に成功と声明を発表していますが、私はその菌がいなくなるということはないのではないか?と思います。現に聖マリア病院に勤める人が言っていましたが、筑後地方は肝臓病の人が多いということです。嫁さんはこの地域の出身ですが、親を初め、親類、同じ町内の近くに住んでいる人はみんな肝臓が悪いという印象だということです。これは注射の回し打ちによるC型肝炎だけの影響とは考えにくいそうです。

私の予想では地域ごとに病気って昔は顕著に現れていたのですが、衛生環境が整ったこともあるし、食糧の供給が場所に関係なく行き渡るようになったために、栄養状態が非常によくなって、免疫力がその手の感染症には強くなっているのが関係していると思います。

ですが、この地方に住む人の身体の中には、まだ住血吸虫という寄生虫が暴発していないだけで、寄生しているのではないか?と思うわけです。肝臓がんが多いというのも関係性が確認されているわけではないのですが、大いにあり得る話です。

さて、これにある程度、信憑性があるな?確信を持った症例がありました。

呑気症というのはご存知でしょうか?

空気を大量に飲み込んでしまうことによって、げっぷやおならがたくさん出たり、腹部膨満感を覚える症状で悩まされてしまうことが問題となるものです。原因はストレスに起因するとして、抗不安薬を処方するくらいで、あまり対策がうまくいっていない症状として、多くの方が苦しんでいる状態です。この症状になってしまったことで、外出が困難になったり、人と会うのが億劫になったりして、うつ状態になることもあるようです。

私はこの呑気症はストレスという点や、空気の呑み込みという点だけで診るから、うまくいかないのだと思います。

げっぷやおならが出る、お腹が膨れるということは、腸内で何かが起こっていると思って間違いがないと思います。最近はSIBO(小腸内細菌異常増殖症)やリーキーガット症候群なども話題となっているし、腸内環境を整えるというのは大事なことに異論はありませんが、その整え方というのは方法があるような気がします。

話を戻すと、呑気症の人の腸内では、空気が溜まっている状態です。腸内のガスは呼気によるもの、炭酸飲料、消化分解によるものがあると言われています。さて、このガスが原因で起こっているのですから、呼気や食事中に呑み込んでしまうを排除しても、なかなか改善しない場合は、消化分解によるガスの影響を考えるのが妥当と思います。

消化分解の際にガスが大量に発生するのは、数多くの菌が存在している大腸だと言われています。まあ単純に考えても、口から呑み込んだものは、げっぷとして出ますし、小腸で分解された際に出るガスは、血液中に乗り、肺から呼吸を通して排出されます。大腸は便を作り、小腸で出来なかった作業をしますが、その際にガスが発生してしまいます。

呑気症がストレスに起因するということの一つの原因は、消化吸収には食べた栄養分を血液中に取り込む際に使われているものがありますが、ストレスを受けた状態では、その働きが鈍るということが観測されています。鈍ると栄養の吸収が落ちて、エネルギー代謝が進まないで、根本的な問題が発生するだけでなくて、吸収されていないものが大腸に送りこまれるわけです。それが大量のガスを発生する要因になるということです。

簡単に言うと、食べたものを小腸で吸収したいけど、うまく消化されずに大腸までいって、ガスが大量発生してしまっているということで、それが症状を引き起こしているというわけです。

ストレスというのは曖昧でわかりづらいですが、ここもうまくモノの見方や、自律神経を生体的に整えることで対応していきました。

またストレスとは別で、もうひとつ消化吸収がうまくいかない要因となるものがあります。それは小腸に炎症がある状態だと、消化がうまく進みません。その炎症が起きている原因というのが、今回症例を診させてもらった女性に寄生していた寄生虫がまさに住血吸虫というわけでした。ものすごく暴発はしていないけど、門脈で炎症を引き起こしていたことが原因で、呑気症を発症していたわけです。

先日、住吸血虫を駆除してから、完璧ではないけど、かなり症状が改善したということでした。もうすでに30年近くこの症状で悩んでいたのですから、驚きの成果ではないかと思います。

また、この女性は慢性的な迷走神経がある上部頸椎の歪みと、骨盤付近にいつも違和感を覚えていて、その場所には大腸を神経支配している骨盤内臓神経があり、この上下の神経を整えることは大いに有効であり、呑気症にはかなり治効があると思います。

まあ歯の状態や、食べ物や、ストレスも色々と考慮していかないといけないのですが、今回の小腸内での炎症が症状を引き起こす要因のひとつになっていたと明白と言わざるを得ません。

人は感染症との闘いで、暴発していないけど、ある程度抑え込むということは非常に大事で、そのための方法は色々とあるな~というのと、原因を見極めていくのは非常に面白いことだなと私は思います。

ちなみにある程度、ウイルスや菌などの影響であることは検査でわかりますし、神経を整えるのは私の得意とするところです。最後には営業もしておかないとですね。(笑)

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