ビタミンDについてあれやこれやと。

こんにちは。トータルケア太陽の中尾です。

朝晩だいぶ涼しくなってきました。

今、親御さんの容体が厳しい状況になっている家族がいます。回復を願うばかりです。

ここで敢えて強く言っておきたいことがあります。悪くなってからでは、本当に辛いですし、回復が大変です。それに医療は発達しているけど、それでもやはり寿命というものがあるのです。だからこそ、元気な時に、精一杯関わって、じゃれ合って、そして、健康管理を怠らずに過ごしてと切に願います。

その健康管理がメディアで垂れ流されている本当にデタラメな切り出し善悪論ではない情報をしっかりと手にして欲しいと思います。自然界と科学的にも合理性を持って健康というものを見れば、それはあっけなく簡単なものになるものです。そのことを強くお伝えしたいと思います。

さて、先日、柳川で72歳になる女性から受けた質問が参考になりそうだったので、回答した内容に加えて、理屈付けしてから、コラムに書いておこうと思いました。

その方は骨粗しょう症という診断を受けて、漢方薬を処方されました。その漢方薬を服用後、気分が悪くなり、病院に駆け込むと、血圧が200を超えていて、測定できないと言われて、どうしていいのか?わからずに怖い思いをしたそうです。

それでこの漢方を怖くて飲めないけど、飲まなくていいものなのか?と色々と疑問を持っていたけど、自分で止めてみました。それから薬を飲むことが怖くなってビタミンDも処方されているのも飲むか?飲まないかということを悩んでいたという話です。ちなみに漢方を止めて、血圧は正常に戻りました。

まあ、そもそも医師に相談すればいいのですが、最近はなかなか質問したりすると、嫌がられるという事が多いようです。特に田舎に住んでいる高齢者は、色々と聞くけど、医者の言うことを素直に黙って聞くという傾向が強いようですので、私に聞いてこられたというわけです。

さて、そこが問題ではなく、ビタミンDについてですね。

そもそもビタミンというものは何かというところから始めますが、ビタミンは人が生きていく上で、必須のものですが、自分の体内で作り出すことが出来ないものです。だから外部から食べ物から摂取する必要があります。これが菌などは、自分で合成することが出来るので、外部から撮る必要はありません。

ここでちょっとややこしいのですが、ホルモンというものがありますが、ホルモンは体内で合成出来るものです。最近、流行の糖尿病で出てくる血糖値を下げる働きをするインスリンもホルモンです。このホルモンは大事なのですが、ビタミンがあるからホルモンが役割を果たせるという側面があります。

そのホルモンのように体内で合成できる唯一のビタミンがビタミンDです。

よく聞くと思います。紫外線を浴びなさいというやつですね。紫外線を皮膚に浴びることでビタミンDが合成されるということはわかっています。

ビタミンDには、小腸でカルシウムやリンの吸収を促す働きがあります。また、カルシウムは血液を通って全身の細胞に送られるのですが、その血液中のカルシウムの濃度を一定に保つのも、ビタミンDの役割です。

ビタミンは外部から食事によって摂取する必要があると言いますが、では、必要な摂取量はどれくらい必要なのでしょうか?それに何を食べればビタミンDが摂取することが出来るのでしょうか?という事も掲載しておきます。

ビタミンDの1日の摂取基準量として日本人の食事摂取基準(2015年版)では1日の摂取の目安量が、18歳以上の男女ともに5.5μg (マイクログラム)、耐用上限量が100μgと設定されています。

それから、ビタミンDが多く含まれている食べ物としては

1 きのこ類/きくらげ類/あらげきくらげ/乾 128.5μg
2 魚介類/かつお類/加工品/塩辛       120.0μg
3 魚介類/あんこう/きも、生         110.0μg
4 きのこ類/きくらげ類/きくらげ/乾      85.4μg
5 魚介類/うまづらはぎ/味付け開き干し    69.0μg

※公益財団法人長寿科学振興財団調査より

どうですかね?意外と多くはないですよね?現代の食生活では欠乏することは殆どないんじゃないかな?と思います。食べ物においてはですね。

元々はこの話は骨粗しょう症の話で、ビタミンDを薬というかサプリで摂取するか?という話ですね。

今まで見てきてわかるように、食事でビタミンDが欠乏するという事は、よほどの偏食でもしない限りは、起きることは少ないように思えますし、もし食事に問題があるのなら、それは変えれば良いというだけの話ですよね。

カルシウム欠乏というのは食事に関しては、別なところに問題がありますが、今回はビタミンDに関することなので、それはまたの機会にします。

また女性については閉経後のエストロゲンの分泌の低下にも問題があります。体内のカルシウムは骨に99%あって、血液中に必要に応じて、出し入れしています。主にその働きを担っているホルモンは、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)と甲状腺ホルモン(カルシトシン)というものです。

仕組みは私は調べれていないのですが、エストロゲンは骨から血中にカルシウムが溶け出るのを防ぐ働きがあるようです。エストロゲンを閉経した女性に与えると骨粗しょう症が改善したという報告もあります。

ここで私は思うのですが、閉経後にエストロゲンの分泌を下げるのには、必要があって、それは人体でしているはずなのです。このエストロゲンが良いとか悪いとかの簡単な話で済ませればいいということを言いたいのではなく、なぜ?正常にカルシウムのコントロールが出来なくなったのか?ということを突き止めていけば、おのずと答えは見えてくるはずなのですが、そこにはなかなか話がいかないですね。

さて、そんな話もありますが、日光を皮膚に浴びれば、ビタミンDは体内で合成されるということからして、一番初めにすぐに実行できるのが、日光浴ですね。では、効果的に日光を取り込んで、ビタミンDを合成するのはコツがあるようです。ただし、明確な指針というものがあるわけではないので、ご参考までに。

◆ビタミンDの研究者数名による助言の一部を挙げると、少なくとも1週間に2回、午前10時から午後3時の間に5~30分程度、顔、腕、脚、あるいは背中に日焼け止めを塗付せず日光に当たることで十分なビタミンD合成が行われ、また、2~6%の紫外線B波を放射する市販の日焼け用マシーンを適度に使用するのも効果的である

※Holick MF. Vitamin D deficiency. N Engl J Med 2007;357:266-81.

簡単ですよね。結論として、ビタミンDはサプリで摂るものではないということですね。日光浴びて、適度に身体を動かし、バランスよく食事を取り、要らないものを摂取しなければ、そもそも健康にならざるをえないというわけです。

ちなみにビタミンDはサプリなどで摂ることで、過剰摂取に陥ることでの弊害の方が懸念されているとあります。下記にそのことを記載しておきますので、参考にされてください。

◆ビタミンD中毒は食欲不振、体重減少、多尿、心臓不整脈などの非特異的症状を引き起こす場合がある。より深刻な場合には、カルシウムの血中濃度を上昇させ、血管や組織の石灰化を招き、その結果、心臓、血管、腎臓を傷害する。

※Institute of Medicine, Food and Nutrition Board. Dietary Reference Intakes for Calcium and Vitamin D. Washington, DC: National Academy Press, 2010.

◆7年間にわたって実施された「女性の健康イニシアチブ」試験では、閉経後女性がカルシウム(1,000mg/日)とビタミンD(400 IU)のサプリメントを摂取した結果、腎臓結石リスクが17%増大しました。

※Jackson RD, LaCroix AZ, Gass M, Wallace RB, Robbins J, Lewis CE, et al. Calcium plus vitamin D supplementation and the risk of fractures. N Engl J Med 2006;354:669-83.

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