こんにちは。
最近、コラム書き始めて、長くて難しいという意見もありましたので、どうしようかな?と考えていましたけど、まあいっかという感じで、長くなっても、書きたいときにはコラムとして書こうかな?と思います。
さて、今回は寄せていただいた相談を例として、そレに答える形でその症例を解説していきたいと思います。
まずはその相談内容はこちらです。
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はじめまして、今年62歳の男性ですよろしくお願いします。
私も、つま先立ちと片足立ちも少ししかできません、連続歩行、長時間の立ちっぱなしも困難です。
去年から腰痛が継続し歩き方もおかしくなり、脳神経外科で診察してもらったところL5/S両側推間孔狭窄により両下肢痛ありと診察され、今年の4月3日に手術を受けました。
狭窄個所の骨を削りチタンボルトで固定する方法でしたが、手術は無事に終了し術後、2度CTを撮り確認してもらいましたが問題はありませんでした、ところが一向に回復する様子がありません、逆に手術前より悪くなったように感じられます。
担当医のおっしゃるのには腰痛の症状が出てから、長期間放置しているからだ、とにかく歩いてリハビリを続けなさいと言われました。
腰痛を初めて感じたのは、随分昔なのでもう忘れてしまいましたが20年以上は前になると思いますが、2,3日すれば治り問題なく歩行できたのでお医者さんの世話になりませんでした。
他に考えられる要因、対処法はないのでしょうか教えてください。
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症例の方と同じで、私の場合は難病のALSか脊柱間狭窄症が原因での症状でとりあえず手術をやりましょうと言うことで昨年秋に手術しましたが改善はまったくありません。
私の場合は、痛みは無くフクラハギが重く、踏ん張りが利かないそしてまさにつま先立ちができない症状です。今から2年前の春頃から、左足に違和感を感じその年に両足へと進行しました。
整形外科や神経内科等受診するも、様子を見る或いは手術との結論でした。現在整骨医院でフクラハギを揉んでもらい、指導されたフクラハギの筋力をつける簡単な片足動作をやっています。
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つま先立ちが出来ないという相談ですね。これ不思議なことに男性にしか困っている人を診たことがありません。
まず相談の中で一番気になっているところを答えます。
他に考えられる要因を知りたいとありますが、その前に正しておくべきことがあります。
この相談された方は、L5/S両側椎間孔狭窄による両下肢痛のために狭窄箇所の骨を削り、ボルトで固定し、その後に2度CTを撮り確認して問題なしと言われるも、回復するどころか、手術前よりも悪くなったように感じると書いてあります。
この主治医の言う問題なしというのは、どういう意味で言われているのか?わかるでしょうか?
画像で見えた狭窄は無くなっているという意味です。
これがこの主治医の判断であり、診断だということです。
繰り返しますが、症状を起こしている原因が画像では無くなっているのだから問題はないという診断ですね。
でも、普通に考えて、これで症状が改善していないという事は、これが原因ではなかったとは思わないのでしょうか?私には狭窄が原因だとは思えないのです。
ちなみに大前提として、このつま先立ちをするために使う筋肉を支配している神経というのは、脛骨神経という神経になります。この神経の出ている個所というのは、L4~S3と言われています。Lは腰椎、Sは仙椎ということです。図はこんな感じ。
こんな風に神経が足全体に広がっていて、背骨からの出口が椎間孔というわけですね。ここが狭くなっているから症状が出ているという論理です。
でも、この出口付近は神経に対して、相当に穴が大きいので、そもそも狭窄するという事がない気がします。まあ、これに関しては見解が色々とあると思いますが、現に狭窄が無くなっても、症状が改善しないというのは影響はなかったと考えるのが妥当です。
さて、この方はどこを固定したのか?わかりませんが、もし書いてある通りに、L5/Sという腰仙関節を固定しているとしたら、問題です。
腰椎は基本的に少し前に出るような構造です。これは体重を分散させるために上手く出来た構造で、生理的湾曲と言います。つまりこの曲がり具合が身体を守るために必要ということです。
腰をボルトで固定するのは、前に腰骨が動きを制限することと、強度を保つということを主眼としているのでしょうが、機械的に固定されると、生理的湾曲という機能は確実に失われてしまいます。
そして、固定された反対側は筋肉によって、妙に頑張らないといけませんので、非常に構造上も、機能上も問題があります。
そもそもこのつま先立ちができないという症状はどこからくるのでしょう?
それはこの図を見れば、わかるような気がします。もちろんここだけではないと思いますが、ひとつ大きな要因となっている事は間違いないと思います。
背骨から出てきた神経は、図のように骨盤の前側へ下行しながら、骨盤の穴を通って、太ももの裏側を下行、坐骨神経と呼ばれる神経として、足の裏側まで行きます。坐骨神経は腓骨神経と脛骨神経の2成分からなるものを言います。
この骨盤の前側のところで何かが問題が起きていて、症状が出ている事は結構あります。
ですが、こちらを調整しようとしても、ボルトで固定していると、その調整がうまくいかない可能性があるのです。更にこの図も付け加えておきます。ひとつ前の図の実際の解剖の写真です。
さて、対処法としては、そこらへんをまずはきちんと診ていくことです。診れる人を探すしかないです。それを知りたいから、わざわざ質問してるんだ!と言われても、ここでは実際には診てもいないので無理だということは理解してもらうしかないです。
それと落ちてしまった筋力を取り戻すことは非常に大変です。
それからさらに、治せるかもしれないという希望を持ち続けることも非常に大変です。
つま先立ちができない人が、狭窄が原因と言われて、手術を受けて、改善した人は私は今まで一度として会ったことはありません。それが原因ではないという事をしっかりと理解してもらう事が大事です。
それから手術したからと言って、全くダメということではありません。ですが、相当に忍耐が必要になるということは間違いないと思います。
最後になりますが
診てもらう時に、この質問をするといいと思います。
つま先立ちが出来ないという症状を今までに診た経験はありますか?
そして
その発生のメカニズムをしっかりと説明出来て、今まで改善した例を経験しているのなら、その人に診てもらうのがいいと思います。いくつも発生要素はあります。大事なのは改善したケースが本人の診てて通りか?です。
さて、遠方の方はこういう事も知ることが出来なかったのにインターネットで知ることが出来たとも言えるし、知らないでこういうものか・・・と過ごすことも出来たとも言えます。
どこを切り取るかはその人の自由です。
私に出来るのはここまでです。
参考になれば幸いです。
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