子供の思春期の精神と肉体を守るために
野球など少年・青年のスポーツの指導者には
ぜひ知っておいていただきたい内容です。
さ~て、今回ご紹介する症例は、
野球の試合中に段々と腰が痛くなって
打席に立って、打った後にベースまで
走る時に激痛で動けなくなった球児
が診察でお見えになる内容です。
腰椎分離症の原因と復帰対策が
気になっているあなたは
是非読んでくださいね!
こんにちは。
「家庭の医学 in 久留米」
を運営している
トータルケア太陽(福岡県久留米市)
心身療法士の中尾和人です。
さて、
今回の「家庭の医学 in 久留米」は
「腰椎分離症の原因と復帰対策」
というテーマでお届けいたしますね。
同じように腰椎分離症になっている方
のお役に立てると思います。
福岡県久留米市の整体師が診た!
【腰椎分離症の原因と復帰対策】
私:
「こんにちは。
腰椎分離症になったとかで?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「はい。病院に行ったら
レントゲン撮ってそうかも?
って言われました。」
私:
「そうかも?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「はい。はっきりとはわからない
けど、多分そうだろうって。」
私:
「どんな感じで痛みが出てきたの?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「初めはそんなに痛くなかったんです
けど、自分、サードなんですけど
守備とかしていたら、あっ?なんか
腰痛いかもくらいだったんです。」
私:
「それは、もう前からの話?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「前からって言うと?」
私:
「今回、分離症になったけど
その前にも腰が痛かったことは?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「いや~あったかもしれないですけど
ちょっと覚えていません。
けど、最近、腰に違和感はあった
と思います。」
私:
「でっ、どうした時にひどくなった?
ぶつかったり、何かしたわけ?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「いや、打順がきて
打席に入って打つじゃないですか?
でっ、その時に腰にうわって痛みが
走って、それでも一塁まで走ってたら
もう無理って感じでしゃがみこんで
そのまま…みたいな。」
私:
「なるほど。今は歩くのも痛い。」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「歩くのも立ってるのも
もう、とにかく何しても痛いです。」
私:
「しびれは?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「しびれてはないです。」
私:
「それはよかった。
大会はいつからかな?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「もうボチボチ始まってます。」
私:
「大事な大会は?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「5月末からです。」
私:
「なるほど。
それに間に合わせたいよね?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「はい。」
私:
「じゃあよく説明を聞いてね。
まずは分離症になる原因を説明をして
それから、今後の復帰計画を教える
ようにしますね。いいかな?」
腰椎分離症になったスポーツマン:
「はい。お願いします。」
と、ここまでが、患者様と
私との問診のやり取りです。
通常であれば
会話形式のまま続けるところですが
あまりにも腰椎分離症について情報が
不足していて、結果的に悔しい思いを
している学生を診て悲しい気持ちに
なりましたので、今回は形式を変えて
ちょっと詳しく書いていきます。
腰椎分離症とは?
スポーツをやっている10代に多い
腰椎分離症とは図のような状態です。
図を見てもらえればわかる通り
簡単に言うと、腰の骨の「骨折」です。
まず、骨折であるということを
頭に入れておいてほしいと思います。
なぜならば、腰椎分離症というのは
言葉だけを聞くと骨折しているという
イメージがないためにそういう認識を
持っていない方がかなり多いです。
だから、腰椎分離症は症状自体を甘く
みている事が多く、結果的に悪化して
最後の大会に出れなくなってしまう
なんてことも結構あります。
極端と言われるかもしれませんが
腰椎ヘルニアの方が重たい病気だと
いう認識を持っている人が多いくらい
腰椎分離症は甘く考えられています。
こうなる背景については後述しますが
腰椎分離症というのは骨折である
そういう認識を持っていたら
運動しながら治す、筋肉をつけて治す
とか誤った治療法を選択しないで済む
と思います。
腰椎分離症の症状とは?
一番典型的な症状は腰を
前に曲げたり
後ろに反ったり
左右に捻ったり
その時に腰に痛みが生じます。
ただよくあるケースとして
普段は生活している時には痛みがない
けど、運動をすると段々と痛くなる
という症状のケースがあります。
この段々というのが曲者なんです。
初めは症状が軽いものだから
ついつい誤魔化しスポーツを続けて
ある時に急激な力が腰に加わることで
または蓄積されて疲労骨折を起こして
悪化することが多いのも特徴です。
腰椎分離症になる原因とは?
腰椎分離症になる原因を
日本整形外科学会では以下のように
述べています。
多くは体が柔らかい中学生頃にジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。
私はこの見解とは異なります。
腰椎分離症になる人は
ほとんどが例外なく体が硬いです。
体が柔いから、腰椎分離になる
というのはどうしても理解しがたい。
身体に柔軟性があり過ぎて
腰椎に過度な負担がかかってしまい
腰椎が骨折するのなら一番負担が
かかって折れるのは別の個所です。
繰り返し腰椎をそらせたり回したり
という点は、まさにその通りです。
ただ急激な力が加わったから
そのなるかというと必ずしも
そうではありません。
腰椎分離症になった方だけでなく
何か症状が出て来たら、それが突然
出てきたように思う方が多いですが
そうではありません。
大抵の腰椎分離症は疲労骨折です。
その部分にずっと繰り返し負担が
かかっていたから骨折するのです。
腰椎分離症になる私の見解とは?
腰椎分離症になって
下記のような状態になる原因は
骨を支える前後の筋肉が
緊張し過ぎているためです。
野球少年の例が私の場合は多いので
その症例を基に腰椎分離症の原因を
解説していきたいと思います。
野球少年はこのような体勢になる
ことが非常に多いです。
この時に太ももの裏側のこの筋肉
それからお腹側のこの筋肉
この二つの筋肉が非常に緊張します。
ご自分でこの体勢になって
ぜひそこを触ってみて下さい。
カッチカッチでしょ?
さらに身体の後ろ側の筋肉は
図のように繋がっていることで
充分な機能を果たします。
つまり、腰椎分離症になってしまう
箇所はこの筋肉に両方から常に
引っ張られている状態なのです。
だから繰り返し運動をしていると
その部分に力が加わり、両方から
引きちぎられるような状態になって
腰椎分離症になるというわけです。
こう考えると、腰椎分離症になる
原因というのはイメージしやすい
のではないでしょうか?
でも、腰椎分離症になる原因は
これだけではないんです。
もうひとつ大切な原因があります。
それは骨盤仙骨の可動性にあります。
スポーツ全般に言えることなのですが
腰を落とすというあの体制は基本的に
仙骨の可動性が失われやすいです。
腰椎は仙骨の上に載っている状態
なので、身体を動かそうとすると
仙骨が動かない分、腰椎に負担が
かかってしまうというわけです。
さらに筋肉で言うと、
さっきのラインで繋がっているので
太ももの筋肉が緊張しているので
余計に仙骨の可動性は無くなります。
可動性の失われた関節面と
硬く柔軟性のない筋肉と
練習体勢により過度に緊張した筋肉と
これら複合的な作用によって
腰椎分離症という症状は
引き起こされます。
腰椎分離症の治療法と復帰対策とは?
腰椎分離症というのは骨折である
ということを説明してきました。
この治療法も当然、それに準じます。
ですから、よくネットで出ている
腹筋と背筋を鍛えて治す
とかはありません。
誤解しないで欲しいのは
腹筋や背筋を鍛えなくていいと
言っているのではありません。
治療が先で、腹筋と背筋を鍛えるのは
治療が終わってからということです。
治療には全般的に3~4か月くらい必要です。
一番初めに腰椎分離症の重症度によりますが
ここではいう若い学生のうちは2カ月くらいは
練習などには参加せず、安静にしておく
必要があります。ここで休めないとダメです。
その理由はまずは骨が分離しそうな?
またはすでに分離してしまっている?
腰の骨の部分がなるべく繋がりやすく
してあげる必要があるからです。
もちろん分離してしまっている部分が
繋がらないという場合もあります。
しかし、やっていく治療は同じです。
ですから腰椎が分離してしまった原因と
なっている先ほどの筋肉と仙骨をゆっくりと
調整を重ねていくことで、患部への負担を
減らしていきます。
理屈としては引っ張られていては
当然、引っ付きにくいからです。
この作業が後々の腰椎分離症とか
ケガをしない身体作りに繋がっていきます。
要するに腰椎分離症の治療と復帰対策を
兼ねているわけなんです。
ここで自分で必ず頑張ってやってもらう
大事なことが出てくる訳です。
それが太ももの裏のストレッチです。
これをできれば自分でせずに
誰かにしてもらうと尚、効果的です。
ストレッチする時の体勢はこんな感じです。
ストレッチする時に、膝を伸ばしている側の
足が挙がってくるのは、柔軟性がない証拠。
これを根気よく続けていきます。
他の骨盤の調整やお腹側の調整は
自分ですると分離している部分に負担が
かかるので、専門家に任せましょう。
それに初めのうちは進捗状況などを
週に一度は確認しながら進めていく方が
安全だし、安心だと思います。
そうして、分離した部分の状態が
落ち着いてから、筋肉のバランスを
整えるトレーニングをしていきます。
そうして次第に痛みはなく
スポーツを続けることが出来る
身体を作っていくことができます。
もし、骨が繋がらない場合は?
結論から言って、普通に生活するには
日常生活にそれほど影響はないことが
多いです。
ただ日常生活の状態や筋力の低下など
によって、骨が繋がっていない前側の
骨が下記のようにズレてしまうことが
あります。
これがいわゆる「すべり症」です。
反り腰とも言われますかね?
こうなると慢性的に腰痛を訴える人が
多くなってくるようです。
ひどくなると当然、しびれなども
出てくることもあります。
そうならないための予防には
骨盤の可動性をつけておくこと
腹筋背筋をバランスよく使うこと
よく歩くことです。
腰椎分離症の人がよく陥る勘違い
部活をしていると周りの目が
気になって、症状を悪化させます。
監督がそれくらいと精神論
レギュラー争いから外される
みんなが休んでいないから
それから、身体に関する誤解も
腰を使っていないからと
上半身だけのトレーニング
痛くない範囲での練習参加
どれも全部間違っています。
何よりも本人がプレーしたい!
ですが、腰椎分離症は骨折です。
骨折している人に動きなさいと
ましてはスポーツをしなさいと
あなたは言えますか?
言えませんよね?
一番苦しむのは腰椎分離症を
患っている本人なのです。
もし、悪化させてしまうと
その後に大好きなスポーツが
出来なくなることだって
考えられるんです。
だから、思いきって休んで下さい。
周りは休ませてあげて下さい。
そして、何よりも腰椎分離症に
ならないためにも下半身の柔軟性を
重要視してあげて下さい。
何も腰椎分離症の予防だけでは
ないんですよ。
下半身の柔軟性は運動能力を
飛躍的に向上させます。
下半身がリラックスしていないと
肩の力は抜けません。
大事な身体を、大事な時期を
思い残すことなく、楽しめるように
今一度、考えてみて下さい。
さて、
今回の「家庭の医学 in 久留米」は
「腰椎分離症の原因と対策」
というテーマでお届けいたしました。
同じように腰椎分離症でお悩みの方は
参考になるかもしれませんよ!
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コメント
小学5年生の息子が脊椎分離すべり症と診断されました。
ズレは5ミリのようです。
週2回のレスリングと1月までは1日1時間で週3回ほど部活でサッカーをしていました。
今までは痛みもほとんどなく、今回の痛みまで気づかず見落としてしまいました。
これから痛みを取り、体幹や腰回りの筋力をつけるリハビリをしていくことになりますが、今後、スポーツは一切出来ないのでしょうか?
ケアしながら週に1度水泳をしたり、体育の授業を受けることはできるようになりますか?
近藤八重子さん
小学5年生で分離症とは大変ですね。
心配されたことでしょう。
症状の状態やケアの仕方にもよりますが
基本的には出来るようにはなると思います。
そこらへんもリハビリをしてくれる人に
きちんと聞くということが大切です。
聞かれているなら
それを信じることではないでしょうか?
回復を祈ります。